2022年7月28日
2022年8月10日~9月10日オンライン開催の日本教育心理学会第64回総会において、学会企画シンポジウムを企画・司会致しました。コロナ禍に揺れる学校教育の本質として、『対面』であることがどういう意味をもつのかを、学校心理学・社会心理学・学習心理学・学校臨床心理学の各視点から論じることで、教育心理学の総体として『対面』教育のもつ意義を論じ、発信できればと思います、総会ご参加の方、期間内にぜひご視聴ください。また8月21日(日)には、1時間のアフタートークミーティング(同時双方向)もございますので、こちらもお越し頂ければ幸いです。
シンポジウム『教室が「対面」である意味とは ―教育心理学からの提案―』
企画・司会:中谷素之(名古屋大学) 企画・指定討論:鹿毛雅治(慶應義塾大学)
話題提供:小泉令三(福岡教育大学) 学校心理学の視点から
話題提供:越 良子(上越教育大学) 社会心理学の視点から
話題提供:伊藤亜矢子(聖学院大学) 学校臨床心理学の視点から
話題提供:伊藤崇達(九州大学) 学習・動機づけ心理学の視点から
指定討論:伊藤美奈子(奈良女子大学)
※敬称略
企画趣旨
2020 年から現在に至るまでコロナ禍は社会のさま ざまな側面に影響し,世界,そしてわが国の学校教育 も大きな困難に直面し続けている。2020 年前半におい て,世界 188 か国で学校閉鎖を経験し,1.9 億人の子 ども,家族が深刻な学習機会の抑制を経験したという (OECD, 2020)。全世界規模の突然の休校や学級閉鎖, 授業や学習のオンライン化により,これまで学校教育 で当たり前であった教育の形態も,大きな変化に直面 している。 学校教育が「対面」であることの意味は,これまで 問われることなく実践されてきた。コロナ禍はこのよ うな前提に,根本的な問いを呈することとなり,対面 での学校教育がどういった教育心理学的な意味がある のか,改めてその答えを準備する必要があるだろう。 このことは,「非対面」「オンライン」の教育効果や教 育的意義をとらえるうえでも,有意味なものと考えら れる。 『令和の日本型教育』(文部科学省, 2021)という国 の指針という点からも,日本の学校教育の特徴である 学級集団づくりが,ウィズコロナ・ポストコロナの時 代に,どういう意味をもちうるかは,教育施策として も,また教育に関わる社会的課題としてもきわめて重 大である。対面による学校教育の意味を教育心理学的 に問い直し,学校,社会,学校臨床,学習・動機づけ という各領域の理論や知見から,教育における「対面」 の意味について考察し,その意義づけについて議論, 提案したい。